皆さんこんにちは!「突撃!となりの制御盤」略して「となせい」、第一回目の取材です!

ネットワークエンジニアから制御盤屋に転職したての制御盤ビギナー。

制御盤の設計/製作をして約10年。他に建築・内装・地盤調査、様々な仕事経験あり。
取材にご協力いただいたのは、 「銭湯は最高のエンタメだ!!」 とアツい発信を続けていらっしゃる、大阪市平野区の銭湯、入船温泉さんです!

オーナーは、銭湯&八百屋を経営していらっしゃる、大坪がくさん。
昔ながらのザ・銭湯の味わいを持ちつつ、2Fにはクラウドファンディングで出来たコミュニティスペース「MOTTO」 を併設するなど、人と人の繋がりを大切にする、心も体もあたたまる銭湯です。
私も子供2人を連れて、よく利用させて頂いております!

本日は風邪が治りきっていない中すみません。よろしくお願いします!

こちらこそよろしくお願いします!
さっそく制御盤を見せてください!

せいぎょばん、カモーーーーーーーン!

出ました!入船温泉さんの、メインの制御盤です。

絶賛稼働中です!!!! テンション上がります!!!!!!
こちらの制御盤さんのお名前は… 「リーガル全自動ろ過制御盤」です。
しっかり受電ランプが点灯しています。

「電源」や「受電ランプ」は、制御盤に電気が供給されている証。むやみに触らないようにしましょう!
扉の部品を少し見てみましょう。

これは何やら、露天風呂の制御を行っている部品たちのようです。
41.7って、なんとなくお風呂の温度っぽいですよね。
ここで、制御盤のプロである夫に話をきいてみましょう。

41.7と数字が出ている部品は温度調節計といって、
「あたためたいお湯の温度」と
「実際の温度」の差から、
その差を埋めるためにヒータやボイラにどのように仕事してもらうかを考えて、指示を出す機械です

ということは、温度調節計が指示を出してくれるおかげで、暑すぎず、ぬるすぎず、快適な温度でお風呂に入れるんですね!
次に、扉を開けてみたいと思います!

制御盤の中にも部品がびっしり詰まっています。
扉の部品をつなぐ配線たちも見てみましょう。


人間味あふれる、輪っかのサイズまちまち感に、愛着を感じてしまいます!
(私がこんな配線をしたら、社長に怒られますが…苦笑)

制御盤につながっている機械を見てみよう
この制御盤は、おもに以下の機械たちと連携して仕事をしています。
- 水をあたためるボイラーや、お湯と水を足し合わせて適切な温度にするためのバルブ
- お湯を浴室の各お風呂や、シャワー&カランまで運ぶポンプ
まず、水をあたためてくれる、ボイラーから見てみましょう。

よっちゃんの身長と比べていただければ分かりますが、とても大きいです。

要するに、家庭にある給湯器のバカデカイ版です!

赤色で、見るからに熱そうですね・・・

次に、ポンプを見てみたいと思います。


この、タンクの足元についている筒型の部品がポンプです!羽のついたモータを回すことで、お湯を送り出しています。


これらの部品は、配管の中を通る電線で、制御盤の部品とつながっています。

制御盤の上から配管が生えているのが見えるでしょうか。
ポンプなどの機械&制御盤が協力して、快適な銭湯を作っているんですね!
メンテナンスについて

メインの制御盤は、何年くらい稼働していますか?

かれこれ、17年くらいは稼働していると思います。

けっこう長いですね!メンテナンスはどうされているんでしょうか?

分からない部分は業者さんに教えてもらいながら、 できる範囲で僕がメンテナンスしています。
オーナーであるがくさんが、 以前の、建物管理のお仕事などの経験を活かして、機械・制御盤どちらのメンテナンスも、すべて担当されているそうです。銭湯を切り盛りしながら、設備の管理も併せて行うのは、とても大変だと思います。


この、ゴムのホースみたいなものは何でしょうか・・・?

自転車のタイヤのチューブです!近所の自転車やさんに分けて頂いています。


お湯を運ぶ配管もどんどん古くなっているので、水漏れが起きてしまったら、新しい配管に交換するまでの応急処置のため、タイヤのチューブを巻いて水漏れを防いでいるんです。

自転車のタイヤチューブが、こんなところで活躍するんですね!
おわりに
銭湯って、ただ温かいお湯を流しているだけに見えますが、大きなタンクや機械と、それに指示を出す制御盤、そして何より、メンテナンスを続けるオーナーのがくさんの日々の努力があって、私たちの癒しのひとときが守られていることがわかりました!
他にも、サウナ内の温度を調節する制御盤や、塩素などを決められた時間に自動投入してくれる機械など、銭湯を支える機械や制御盤をいろいろと見せていただくことができ、終始テンションが上がりっぱなしでした!
お忙しい中、見学をさせてくださったがくさん、本当にありがとうございました!また温泉入りにきますね!

さいごに、入船温泉さんの情報・アクセス方法などはこちらです!

月〜木曜・土曜・祝日14:00〜24:30
日曜日6:00〜24:30(金曜日定休日)
大阪府大阪市平野区平野市町3-12-15
JR関西本線加美駅から徒歩約10分・駐車場&駐輪場あり
Tel:06-6777-4886
あとがき
制御盤のある機械室に入るには、男湯ののれんをくぐり接客カウンターの裏へ入るのですが、見学が終わってロビーに出てくるときに、男性脱衣所の 少なくとも上半身は裸だったお兄さんとバッチリ目が合ってしまい、一人でものすごく焦っていたおしんです。笑
17年前くらいに作られた制御盤なので、ふだん仕事で見ている新品の部品とデザインが違ったり、メーカ名も古かったり(アズビルが山武だったり)、電線の種類も少し違ったり(昔は、固めの電線でしっかり折り目を付ける配線が主流でした)、色々と気づくポイントがあって面白かったです。
今回はじめての記事を書いてみましたが、どんな風に紹介しようか、何をどこまで説明しようか、とても悩みながら編集しました。面白いと思ってもらえたら嬉しいのですが、良かった点、反対に難しくて分かりにくかった点など、良ければ #となりのせいぎょばん を付けて 感想をTwitterで頂けたら飛び跳ねて喜びます。